山行報告

硫黄岳

期日 2024年2月7日(水)~8日(木)
天候
参加者 5名
レベル 雪山上級
コースタイム 所沢11:30=入間IC=諏訪南IC=唐沢・夏沢鉱泉分岐P15:00/16:00=桜平16:10―夏沢鉱泉16:45(泊)
6:50―オーレン小屋7:55―夏沢峠8:50―硫黄岳直下10:30―夏沢峠11:10/11:40―オーレン小屋12:05―夏沢鉱泉12:40/14:00―桜平14:30=唐沢・夏沢鉱泉分岐P14:40=諏訪南IC=所沢IC=所沢駅19:00
コメント  20数年ぶりの冬の八ヶ岳登山は、期待と不安を胸に、リーダーと相談を重ね、古いアイゼンを買い替えるなど準備を整え参加した。
 2月5日に首都圏を襲った雪は、八ヶ岳にも大雪をもたらし、一面の雪景色が広がっていた。唐沢・夏沢鉱泉の分岐までは、広大な別荘地の除雪が行き届き、車は比較的スムーズに進む。分岐からは送迎車で夏沢鉱泉へ向かい、桜平からの最後の30分は雪道を徒歩で登り、宿泊する夏沢鉱泉に到着した。
 山小屋とは思えない美味しい夕食と温泉で疲れを癒し、夜はロープワーク講習で充実した時間を過ごした。
 翌朝、アイゼンを装着し、雪に覆われたシラビソの樹林帯へ進む。厳しい冬を象徴する風景は、生命の力強さを感じさせてくれた。前日入山したグループの情報と踏み跡に感謝しながら、夏沢峠を目指す。
 夏沢峠からは、硫黄岳の爆裂口を左に見ながらの急登だ。強風と雪でトレースが消え、ルート確認に神経を使う。強い寒風に顔が凍え、バラクラバを着用する。そんな時、立ち止まって一息つくと、遠くに北アルプスから御嶽山の白銀の峰々が眺められ癒される。ただ動かないと足先も凍えるのでほんの束の間だ。森林限界を越えるとまさに吹きさらし、ルートを見つけながらの急登の厳しさは想像以上だった。夏なら黙々と登れば済むコースも、冬靴とアイゼンの重さ、樹林帯から一変する紫外線も加わり、足元の安定が心細くなる。あと180メートルほどの地点だが、最後の詰めは傾斜もきつくなる。ここでリーダーに「夏沢峠まで降りてパーティーを待つ」旨を伝えると、皆で相談し、全員で撤退する決定となった。申し訳ない気持ちと同時に、厳しい条件下のパーティー登山の難しさ、皆さんの寛大な配慮に感謝し、夏沢鉱泉へ下山した。
 今回の経験を通し、冬山登山の奥深さと安全登山への意識、体力の強化の必要性を痛感した。そして、メンバー皆さんの温情にも支えられ、貴重な経験を得ることができた。